わけもなく、さみしくなることってありませんか?
特別いやなことがあったわけでもないのに、
なんだか急にしょんぼりしてしまって、
この世に自分だけがひとりぼっちな気がしてしまう。
いつもなら平気なちょっとしたことで傷ついて、
ずぶずぶと、沼に沈むみたいに抜け出せない。
私はあります。というか数日前までそんな感じでした。
どうにもこうにも陰気な自分をとっぱらえなくて、
「そういうことってあるよね!?」と仕事仲間にぶつけてみたら、
「ありますよ!」と思い切り返ってきてほっとした次第。
そうなんだよ。あるんだよ。
みんな、どうにかこうにかしながら、そういう時期をやり過ごしてんだよ。
わたしだけじゃないよねーよかったよかった。
とか思ってたら、帰り道にすこし回復していました。
ありがたい。ありがとう。
さみしくない人なんていないし、
センチメンタルに浸る瞬間は誰にでもある。
そんなときにおすすめなのが蒼井ブルーさんの
『僕の隣で勝手に幸せになってください』。
文化系乙女男子の、過剰なまでにセンチメンタルなツイート集です。
正直、小松菜奈ちゃんが好きだから買いました。
中身はあんまりよく知りませんでした。
そしたらけっこう、いいこと書いてあった。
「寂しがり屋、儲からないから早く閉店した方がいい。」
「落ち込むと強くなりたいだなんて思ったりするけれど、
強くても折れるからしなやかがいい。」
「今日が終わって欲しくなくて寝ようとしないの、
明日ごと終わるからやめた方がいい。」
「心が狭いときって、人に求めてばかりでよくない。」
ほわー、と思ったいくつか抜粋。
蒼井さんはカメラマンさんなのですね。
小松菜奈ちゃんが好きすぎて表紙にしたそうですが、
うん、もうその時点で趣味あうわー。
恋のつぶやきもいっぱいあります。
「君を好きになったら自分のことも好きになれたんです。」
「忘れる忘れないとかじゃなくて忘れらんない。」
「好きな人みんな自転車で行ける距離に住んでたらいいのに。
うそついてたまたま通りかかるのに。」
いやもうね。ずるいと思うの。
おすすめしといてなんだけど。
こういう女々しさが許される人ってホントに一握りじゃないですか。
だって一歩まちがえれば、ただのかまってちゃんで、うっとうしいだけですもん。
だけどそれが乙女度と男らしさと、うじうじとさっぱりが、
絶妙なバランスでカバーされているから心の隙間にもぐりこむんでしょうね。
ずるい。ほしい。そのセンス。
読むというより、歌を聴いている感じです。
だから一ページめから読まなくても、
なんとなくへこんでたり、励まされたかったり、
あるいは恋しちゃって気持ちがとめどなかったり、
そんなときにぺらぺらめくってみるといいと思います。
なにかひとつ、ほわっ、と思える言葉が見つかるはず。
気持ちって、そのときどきでちがうので。
そのつど、響く言葉もちがう。
たぶん、目につく言葉もちがう。
小説だって、読み返してみたら
「あれこんなこと書いてあったっけ?」とびっくりすることありますし。
手元に一冊おいておくと、癒される本かなと思います。
すくなくとも、表紙の菜奈ちゃん見てるだけでわたしはけっこうがんばれる。
『僕の隣で勝手に幸せになってください』
蒼井ブルー KADOKAWA/中経出版 1300円(税別)
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MF文庫ダ・ヴィンチmew 600円(税別)