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心のデトックス読書のススメ『女は笑顔で殴りあうマウンティング女子の実態』

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ステップ1やさしくすばやくメイクを落とす

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ステップ2保湿しながら洗顔する

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ステップ3オールインワンを極めました

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こんにちは、橘です。

今回は、読み終わったら全方位に土下座して謝りたくなるような、
全世代女性必読の1冊をご紹介します。
その名も、『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』。

無意識、意識的にかかわらず女性がやってしまう、
「どちらが上か」「わたしのほうが上よ」
をそれとなく相手に知らしめる言葉と言葉の攻防戦。

はい、そこ。
いま、「わたし関係ない」って思ったでしょ。
「たしかに女子同士ってこわいとかいわれるけど、
わたしは女友達と仲いいし、そういう見栄の張り合いとかしないし」
とか思いましたね。
そういう人ほどやってます。
無自覚な人こそ、無意識にやっちゃってるのがマウンティングの恐ろしさ!

というわけで今回は、初回『失恋ショコラティエ』同様、
投げた刃が五倍速で戻ってくる覚悟で臨ませていただきます……。

この本ではさまざまなタイプのマウンティストを紹介しています。
たとえば、
「え〜○○ちゃん、素材はいいのにもったいな〜い。
もっとこうすればかわいくなれるよ〜あたしやったげる〜」
と善意のつもりでクソバイス
(クソみたいなアドバイス。犬山さんの造語)する【カウンセラー型】。

「え? ○○読んだことないの? ××って映画は?」
「あー、いまそれにハマっちゃってるんだ。ナルホドね〜」
と上から目線で知識をひけらかす【事情通型】。

「わたしいつもすっぴんだから、お化粧のしかたわからなくて〜
あなたはメイク上手でうらやましい!」
みたいな自虐と見せかけた自慢をしてくる【自虐型】。

ほかにも、プロデューサー型、司会型、無神経型などのほか、
既婚女子VS独身女子、都会暮らし女子VS田舎暮らし女子、
楽しみ上手女子VS楽しみ下手女子、
などなど、マウンティングが起こりやすい状況別に、
シミュレーションの会話が解説つきで展開されています。

「わたしもそういう時期あったなー」とか、
「え〜すごい! でもわたしにはできないな〜」とかね。
その出来事を言葉にして人に伝えると、
「え? なにも変なこと言われてなくない?」というような
微妙なニュアンスでしかなく
こちらも悪口いわれたわけでもケンカしたわけでもないから、
表だって腹を立てることもできずただ、
もやっとした気持ちだけがしこりとなって残るのです。

でもやったほうも
「あっ、しまった!なんかあの言い方感じ悪かった!」とか、
「そんなつもりなかったのに、自慢みたいになってたかも!」とか、
自覚戦闘モードでない限りは自己嫌悪に陥って悶々としていたりする。

いいことなんにもないですね、マウンティング……。
やったこともやられたこともあるよ……(猛反省中)。

友達同士だけじゃなくて、親子、姉妹でだって起こりえますからね。
というかむしろマウンティングって、本当に見下している相手にはやらない。
(だってそれは影なり堂々となり馬鹿にすればいいだけだから)
わりと仲がいいはずだったり、距離が近かったり、
スペックが似たような感じだったりする友達に、
自分の矜持を保つためにやったりするんですよね。

「あたしってこういう性格だから」みたいな自意識や、
拭い去ったはずなのに拭いきれていない奥底のコンプレックスが、
女子をマウンティングに駆り立てる。
……ああ、女子ってなんて厄介!
もう、マウンティングは国技にするといいと思うよ!
腕見せ大会みたいなことしたらたぶん見てる方はハラハラ楽しいと思う。

この本にも書いてありますが、善意とマウンティングの境目ってとても曖昧。
そこにわずかでも自己顕示欲や自慢、上から目線が入っていたら、
ちょっと気をつけたほうがいい気がします。

もうね。今もこのコラム書きながら、
これ自体がすでにマウンティングなんじゃないかと、
こわくてこわくてたまらないわけですが、
実はマウンティング自体が悪いこととはあんまり思えない自分もいます。
というか、したほうがいいときもあるんじゃなかろうか。
たとえば、趣味の知識をひけらかすことにはなんの躊躇いもないのに、
女としての自分を主張するのは異様に苦手なこじらせ女子。
すこしはマウンティングしてみるのもいいんじゃないかと思ったり。
(自虐はいきすぎると、マウンティングよりもめんどくさいからね!)

多少はするくらいのほうが健全なんじゃないでしょうか。
ま、やりすぎていいことはひとつもないですが。

あー。
どんなことも、うふふと笑ってすべてを流せるようになればいいんですけどね。
そのメンタリティなら、マウンティングもしないし、
されてもまるで気にならない。
でも道のりは遠そうです。
さしあたっては、マウンティングがいきすぎないよう、
定期的にこの本を読み返しバイブルにしたいと思います。

とりあえず今までマウンティングした方々、ごめんなさい!
臥してお詫び申し上げて今回は終わりたいと思います。
ほんと、すみません。

マウンティング女子の実態』

『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』
瀧波ユカリ、犬山紙子
筑摩書房 1200円(税抜)

About The Author

フリーライター作家橘 もも
講談社X文庫ティーンズハート大賞<佳作>受賞して作家デビュー。

大学卒業後、ダ・ヴィンチ編集部にて雑誌&書籍の編集者として勤務しつつ、作家業を続ける。現在は、フリーでライター・編集業(立花もも)、作家業(橘もも)の二足のわらじ。小説のほかにも、映画やゲームのノベライズ、絵本やノベライズの翻訳などを手掛ける