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心のデトックス読書のススメ/スープ飲みたくなること必至!心にビタミンをくれる『王先生の薬膳レストラン』

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ステップ1やさしくすばやくメイクを落とす

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ステップ2保湿しながら洗顔する

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ステップ3オールインワンを極めました

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鶏肉のスープが……飲みたい……
生姜のたっぷり効いたやつ…………

な、橘です。こんにちは。
『王先生の薬膳レストラン』を読んで以降、
辛抱たまらなくなったものの、鶏一羽買いこむ勇気はないので、
手羽先をひたすらことこと煮込んでおります。
にんにくもたっぷり入れちゃうぜ!

『ランチのアッコちゃん』(柚木麻子)しかり、
『真夜中のパン屋さん』(大沼紀子)しかり、
『植物図鑑』(有川浩)しかり。
“食”というのは小説の定番人気ジャンルでありますが、
個人的にこれまででいちばん胃袋をつかまれたのは、
宮部みゆきさんの『ぼんくら』。
お江戸のお菜屋・お徳さんの煮込む蒟蒻と里芋があまりにおいしそうで、
留学中にうっかりこの本を持って行ってしまったわたしは、
半年強の日本食欠乏症期間、のたうちまわるはめになったのでした。

自炊だろうと外食だろうと、“食”と無縁の人なんていませんよね。
そして疲れたりしんどかったり哀しかったりしたときに、
あったか〜い滋養の効いた出汁のスープなんて飲んだ日にゃ、
ほろりと涙してしまうもの。
焼きたてのパンや、ふわふわクリームのケーキだってかまいません。
特に女性にとっては、食と心の健康は絶対不可分!
そんなわけで、心にビタミンと活力をくれる
『王先生の薬膳レストラン』(南部くまこ)が今月のご紹介本です。
薬膳……おいしくて身体によくて心も回復するなんて贅沢料理は、
日々働く女性にこそ必要ですもんね☆(と女性誌みたいなノリで言ってみる)

主人公の日夜子(ひよこ)は食品メーカー勤めのしがないOL。
マジメというよりも気が弱くて、
上司の小言に怒るだけの気力もなく、発奮する気概もなく、
嫌われないように、邪険にされないように、自分をできるだけ損なわないよう、
小さくなって生きている、ごくごく普通のアラサー女子。
そんな彼女が、月に一度の激しい腹痛に襲われて
(余談ですが、会社に行かなきゃいけない葛藤のなかもんどりうつ
彼女の描写はたぶん全女子共感必至だと思う……!)、
貧血のあまり道で倒れてしまったところを助けてくれたのが、
超絶イケメンの王先生。
そんな彼が処方してくれる薬膳料理に導かれ、日夜子は心と体を癒していく、
というのが大筋のストーリー。

これがまあ、おいしそうなのなんのって……!
いちいち料理の解説がコラムとして書かれているのも憎い。
食べたい。その黄金スープ飲みたい。わたしも癒されたい!
と女性が前のめりに食いつくこと間違いなし。

さらには前述したとおり、気弱女子の日夜子が叫ぶ心の声が、
いちいち身に刺さると言いますか、
上司のいやみとか、出産退職する先輩の境遇への理不尽さとか、
幹事を押し付けられてさらに文句いわれる同期のこととか、
日常のちっちゃ〜〜〜い、だけど確実にたまっていくストレスが、
もうわかりすぎて。うなずけすぎて。
だからこそ読みながら私たちも、食べたわけじゃない料理に癒されていくのです。

ところでこの『王先生の薬膳レストラン』ですが、
MF文庫ダ・ヴィンチmewという、
「あした笑顔になるお仕事エンタメ」というコンセプトで創刊した
新レーベルから発売されております。

手前味噌、というか、前回に続き宣伝で恐縮ですが、
わたしもこのレーベルから『忍者だけど、OLやってます』という
小説を出させていただいておりまして。
まあ、OLはともかく忍者が「お仕事エンタメ」のくくりに入るのか、
自分でもはなはだ疑問ではありますが、
理想と現実のはざまで奮闘する女子の、楽しいお仕事ラブコメになったんじゃないかな、
と思います。はい、宣伝おわり。

んでですね、このレーベルからはほかにも、
四十代のおっさん官能小説家と、童顔巨乳のドS編集者がおりなす
『もう書けません! 中年新人作家・時田風音の受難』(沢木まひろ)と、
誰もが息を呑む美人なのに演技の才能が壊滅的にない女優が主人公の
『東京暗闇いらっしゃいませ 中目黒楽日座シネマ』(狗飼恭子)が
同時発売されております。
この2冊に関しては『王先生』同様、宣伝関係なしにおもしろかったので、
身内ぼめみたいな感じですが、本気でおすすめしてみます。

なんというか。
大人になるにつれて、自分は何者にもなれないんだな、
っていうことを誰もが自覚していくんじゃないかな、と思います。
もちろん特別なギフトに恵まれた人は別なのでしょうが、
自分は自分以上のものにはなれないんだな、というようなことを、
いやがおうでもつきつけられるものなんじゃないでしょーか。

なので、誰もが自分にできることを
できる限りの全力でやるしかないわけですが、
まあ、疲れますよね。毎日120%で生きるわけにもいかないし。
ときどき、わけもなく挫けてしまいそうなときもあるでしょう。

『王先生』も『時田風音』も『東京暗闇』も、
「本当にやりたいこと」や「自分に向いていること」の狭間で——
もっといえば「なりたい自分」と「なれる自分」の葛藤で悩みながらも
成長と言えるかどうかわからないくらいの、少しずつの歩みで前進している、
働く人々が主人公をはじめたーっくさん出てきます。
そんな彼らに勇気づけられたり、励まされたり、共感したりしながら、
読み終わったあとは自分もほんの少し笑顔をもらえてる、そんな小説ばかりです。

拙著『忍者OL』もそのなかに混ぜてもらえてとても光栄なのですが、
コンセプトふくめてよいレーベルが創刊したなと心から思ったので、
今回まとめてご紹介させていただきました。

このあいだテレビでおかもとまりが、
「向いていない好きなことより、嫌いだけど向いてることを全力でがんばる!」
みたいなことを力説していて、至言だなあ!と思ったことも思い出しました(笑)。
いや、本当に嫌いで苦しくてストレスで禿できるようなことはしなくていいと思うけどね!

あと、どうしようもなく疲れてて頑張れない、
そんな素敵なスープとか作ってられないし飲んでられない、
というときにぴったりなのが、自分の肌にあった化粧品。
ということで、デオキシーもおすすめしておきます。→こちら。

ではまた来月!

橘もも作品

About The Author

フリーライター作家橘 もも
講談社X文庫ティーンズハート大賞<佳作>受賞して作家デビュー。

大学卒業後、ダ・ヴィンチ編集部にて雑誌&書籍の編集者として勤務しつつ、作家業を続ける。現在は、フリーでライター・編集業(立花もも)、作家業(橘もも)の二足のわらじ。小説のほかにも、映画やゲームのノベライズ、絵本やノベライズの翻訳などを手掛ける