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心のデトックス読書のススメ/コミュニケーション術も満載!な実録エッセイ『督促OL修行日記』

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ステップ1やさしくすばやくメイクを落とす

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怒られるのが嫌いです。

怒られるのが嫌いです。

……大事なことなので二度言いました。橘です。
いやまあ、好きな人なんていないでしょうけどね。
ただちょっと前に、とある案件でめちゃくちゃ理不尽な罵倒を受けた人に
「大変でしたね……」と話をふったらば、
「いやーまあでも怒られるのって仕事のうちですしー」
とさらりといわれて、なんだかすごく感動してしまって。

フリーランスになってからは怒られる機会もめっきり減ったせいで
昔よりも打たれ弱くなっている自分をちょっと反省。
しかしやっぱり怒られるのは嫌いなので、
なるべくそういう事態にならないようにしていこう、と思ったのでした。
(と書きながら、このコラムの締め切りも少しオーバーしているというね……)

なのですが、世の中には「怒られるのも仕事のうち」どころか、
むしろ「怒られること自体が仕事」な職種はあるものでして。

コールセンター勤めもそのひとつ。
今回ご紹介する『督促OL修行日記』は、
カード会社の支払い督促をしていたら、
入社半年で10キロも減ってしまったOLによる実録エッセイ。
ずっと気になってたのが文庫化したので読んでみたらば、
コミュニケーションノウハウも満載で超勉強になった!

怒られるのが嫌いとはいいましたが
自分のミスで怒られるのはまあ、しょうがないですよね。
悔しくて泣けてくるのも、それは自分が情けないだけだから。
くりかえさないよう、胸に刻み込めばいいだけです。

でもいちばん苦しいのは、理不尽な怒りをぶつけられること。
「それ聞いてないし!」とか、
「いやそれわたしがやったんじゃないから!」とか、
こちらに非があるわけじゃないのに叱られるのが何よりつらい。

カード会社の支払い督促なんて、
「お金使ったんだから返してくださいね」っていうしごくまっとうな
お願いしかしていないし、恫喝や暴力をふるうわけでもない。
それなのに「黙ってまってりゃいいんだよ」だの
「今度電話かけてきたらぶっ殺す」だの無茶苦茶ばかり言われる。
あげく「こんな仕事しないほうがいいですよ。まっとうな仕事しなさいよ」とさえ。

厄介な債権者ばかりで、回収ができなければ上司にも怒られ。
どんなにがんばったところで誰からも「ありがとう」とは言われない。
次から次へと心や体を病んで辞めていく仲間たち。

そんななかで「仕事ってなんだろう? お金を稼ぐのは大事だけど、
しなければいけないものだけど、
人生にとって仕事がマイナスになっちゃダメなんじゃないの?」
と向き合い、自尊心と戦いながら、辞めずに督促の技術を学んでいく著者の、
一歩一歩すこしずつ進んでいく姿勢と感情に、ぐっと心をつかまれたのでした。

そして、チーム内で落ちこぼれ、督促下手だった著者が、
仕事を円滑に進めるうえで学んで行ったコミュニケーションテクが、
なにより勉強になる……!

「約束を守らせるためには、約束日時を相手に言わせる」
「こちらの要求を一方的にぶつけても相手に反発心を与えるだけ」
「いきなり怒鳴られた時にどう対処するか」とか、
個人的に一番納得したのは
「謝ればいいと思ってんだろ!」といわれてしまうのはなぜか、
そう言われないようにするにはどうすればいいのか、というあたり。

仕事だけじゃなくても、人間関係すべてに通じる極意のようなものが、
この本にはつまっていると思いました。
そりゃ佐藤優氏も絶賛するよ!

怒られるのが嫌い、と冒頭に書きましたが、
本当に嫌いなのはたぶん、誰かから負の感情を受け止めることと、
それによって自分の中に負の感情を生み出すことなんだと思います。

でもそれって、仕事じゃなくても日常そこかしこで起こりうること。
たとえばコンビニの店員がめっちゃ態度が悪かった、とか、
通りすがりの知らない人にいきなり暴言吐かれたとか(たまにある)。
まあ、通りすがりの人にはどうとも対処できないですけど、
誰かになにかを伝える方法だったり、
突然に理不尽なめにあったときにそれを乗り切る方法だったり、
自分の中に小さくても確実なノウハウがあれば、
自分なりの毎日は生きていけるのだな、と思ったのでした。

おもしろかった!

『督促OL修行日記』

 

『督促OL修行日記』榎本まみ 文春文庫 550円(税抜)

拙著発売中です。
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About The Author

フリーライター作家橘 もも
講談社X文庫ティーンズハート大賞<佳作>受賞して作家デビュー。

大学卒業後、ダ・ヴィンチ編集部にて雑誌&書籍の編集者として勤務しつつ、作家業を続ける。現在は、フリーでライター・編集業(立花もも)、作家業(橘もも)の二足のわらじ。小説のほかにも、映画やゲームのノベライズ、絵本やノベライズの翻訳などを手掛ける